交通事故

交通事故予防 ペダルの踏み間違え対策

高齢者による交通事故の原因として、近年増加傾向を示しているのがペダルの踏み間違えによる暴走事故です。自動車のペダルは、ブレーキとアクセルが近接した位置にあり、どちらも「踏み込む」という動作を行うために、間違いの発生しやすい構造であることも一つの原因と言われています。

特に高齢者は、認知機能に衰えが生じている場合がありますので、踏み間違えの危険性が高くなります。オートマチック車の場合では通常走行時にアクセルを強く踏み込むと急加速をしてしまい、それに驚いて咄嗟にブレーキをかけるつもりがさらにアクセルを踏んでしまうという事故が典型的な例です。そのようなペダルの踏み間違えに対応した予防安全技術が開発され、新型車に続々と投入されています。衝突被害軽減ブレーキの普及が急速に進んでいることは、そのような事故の危険性を認識している人が多数存在していることを示唆していると言えるでしょう。

衝突被害軽減ブレーキは、主に中低速域で前方の車両もしくは障害物に衝突する可能性があると検知した場合に、ブレーキを促す警報がなったり自動的にブレーキが掛かる仕組みです。各自動車メーカーではそれぞれ名称が異なりますが、一部車両を除いて標準装備もしくはオプションで搭載が可能となっています。またその衝突被害軽減ブレーキの一つの機能として、ペダル踏み間違え検知機能が備わっているものもあります。車側がブレーキとアクセルの踏み間違えであるという可能性を判断した場合に、急加速を抑止するという装置です。後退時に衝突をし、慌ててDレンジに入れてアクセルを踏み込むというようなペダル操作を行った場合にエンジンの出力が抑え込まれて、急加速を防止するという仕組みとなっています。オートマチック車の誤発進を抑制して制御するこのような機能の搭載された車両は、特に高齢者のドライバーから大きく支持されており、順調に普及が進んでいます。また選択できる車種もどんどん増加しており、事故の減少が期待されています。

妊婦さんも必ずシートベルトする者?

 結論から言えば、妊婦さんもシートベルトを着用するべきです。と言うのも、実際に妊婦さんの運転する車が追突事故に遭遇、乗っていた妊婦さんが死亡するといった実に痛ましい事故の例があるからです。また、シートベルトを着用していないと、急ブレーキの時などに、ハンドルやダッシュボードにお腹をぶつける場合もあるので、逆に良くない場合もあるのです。

 ところで、法律的にはこの問題、どうなっているのでしょうか。これは、道路交通法では、やむを得ない場合に限り、着用しなくて良いとされています。これが妊婦さんの例になると、妊娠中で、なおかつ健康上に問題がある時に限り、シートベルトの着用義務が免除されます。ただ、この免除される場合と言うのは、例えば出血や激しい苦痛などの緊急事態、または多胎妊娠などでお腹が大きくてシートベルトを締められない場合などです。

 ですから、健康に過ごしている妊婦さんは、こういったやむを得ない場合には該当しないため、シートベルトをしなくて良いとはなりません。シートベルト着用は、日本婦人科学会や警視庁も推奨していますので、母子共の安全を守りましょう。ところで、そう言っても、大きなお腹でシートベルト着用はきついことと思います。ですから着用にも工夫が必要になります。例えばですが、腰ベルトはお腹の下の位置に回し、肩ベルトは胸から脇へ通し、お腹にかからない様にする等の事が挙げられます。お腹が大きくなる前にも、つわりや体調不良で気分が悪い時も、そうした方が良いことでしょう。

 また、便利なアイテムとしては、マタニティシートベルトがあります。これは車の座席にベルトで固定して使うことができる補助用具ですが、お腹を圧迫せずにシートベルトを着用する事が出来るので、臨月の時でも安心して車に乗ることが出来ます。シートベルトは着用しないことを考えるのでは無く、安全に着用する事を考えた方が得策です。母子共に安全を守りましょう。

もしも交通事故で信号機と接触してしまったら

 交通事故を起こさないことに越したことはありませんが、それでも交通事故を起こしてしまうことはあります。物損事故として、ガードレールなどにぶつかった場合、それを弁償していくことになります。ガードレールであれば、2メートルあたり3万円が設置する際の相場となっており、賠償金としてその数倍が請求され、工事費も合わせて請求されることになります。電柱は数万円から数百万円までピンからキリまでありますが、停電が発生するような事態となれば賠償金もそれだけ多くなります。

 では、信号機を交通事故で壊してしまった場合ですが、信号機自体は100万円ほどするため、少なくともその金額の弁償はすることになります。仮に倒壊させてしまうとなると、本体価格以上に請求されることになり、場合によっては1,000万円近くのお金を支払うことにもなりかねません。信号機が複数台にわたって壊れてしまうようなこともあります。そうした時にそれだけの額に達することは十分に考えられます。こうしたことに備えて、自動車保険では対物保険を無制限にしておくことが求められます。対物保険を無制限にしておかないと、仮にガードレールや電柱、交通標識や信号機などを壊してしまった場合、その弁償だけで大変なことになってしまいます。対物保険を無制限にしておけば、万が一の時も安心です。

 人との接触事故、車同士の事故を起こしても、場合によってはそこまでの費用を出さなくても済むこともありますが、物損事故の場合は対物保険をそこまで重要視しなかったばっかりに大変なことになることも考えられます。信号機を倒壊させるほどの交通事故は相当ですが、多少傾いただけで倒壊に近いような扱いにされることとあります。交通事故で信号機と接触したら、場合によって1,000万円ものお金がかかるかもしれないと思い、安全運転を心掛けることが求められます。そして、今一度自動車保険の見直しをしておくことが必要です。

もしも人身事故の被害者になったら

 交通事故で骨折はもちろんむち打ちなどの被害になって怪我をしたら、交通事故弁護士で情報を収集し、交通事故に強い弁護士に相談しましょう。複雑な事案では特に(以下では例えば内縁の夫が交通事故で死亡した場合を考えます)そうですが、単純な追突事故でも、加害者の保険会社はなるべく保険金を出したくないため被害者の無知に乗じて低額な補償を申し出てくることが本当に多いのです。

 先ほどの内縁の夫の事案を考えます。通常、交通事故で夫が死亡してしまった場合、遺族である妻やその家族は加害者に対して損害倍書を請求する権利が発生します。ですがもしも戸籍上の妻ではなく内縁関係であった場合、内縁の夫が亡くなってしまった場合はどのように損害倍書を請求することができるようになっているのでしょうか。
実は民法では被害者となった人物の両親とその配偶者・子供に対しては損害倍書を請求する権利が与えられているのですが、その中に内縁関係の事は記載されていません。そのため親族としての損害倍書は請求できないとされているのですが、実は親族以外でも請求することができるようになっているケースがあります。
どういうことなのかというと、被害者と特別に親しい間柄であったり経済的にも密接に関わっていたということを証明することができれば親族に該当していなくても請求する権利を獲得することができるとされているのです。実際に過去の判例でも兄弟や義理の兄弟・祖父母・姪や甥が損害倍書を請求して勝ち取ったと言うケースがありますし、その中には内縁関係にある妻も判例で認められたケースがあるとされています。そのため内縁関係であっても被害者である夫と特別に親しい関係であった事が認められれば、損害倍書を請求する権利を獲得することができるというわけです。

 ただし注意点としてあくまでも内縁関係であった事や密接に関係していた事を具体的に証明することができるかどうかというところがポイントとなっているので、それを証明するようなものがなかった場合は認められないと言う事も考えられます。そのため内縁関係を続けている相手がいる場合、このような万が一の時に備えてきちんと関係を証明できるようなものを用意しておくことが望ましいとされています。このような事案でも、弁護士などの専門家を通じて立証してもらうようにすればよりはっきりと証明することができる場合が多いので、このようなケースになった場合は弁護士に相談することがオススメされています。